特別展 ホーム・スイート・ホーム
開催期間:2023年6月24日(土)~9月10日(日)
会場:国立国際美術館
展覧会について
私たちにとって「ホーム」とはどのような意味をもち、どのような存在なのでしょうか?国立国際美術館では国内外で活動する現代美術作家たちによる特別展「ホーム・スイート・ホーム」展を開催します。
2020年初頭に登場した新型コロナ感染症拡大は、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。いわゆるビフォアコロナ期には普通であった行動も、「不要不急」という言葉によって制限されました。本年5月8日をもって5類感染症に移行たことで、コロナ対策は一定の区切りがつけられましたが、かつての生活に完全に戻ったとは言えないのではないでしょうか。
こうして生活様式が変化する中で、感染症拡大の初期には予防の観点から「ステイホーム」という言葉が頻繁に使われるようになりました。この「ホーム」には、私たちが過ごす物質的な家、また家に集う集合体である家族、故郷そして祖国の意味もあります。私たちが留まることを求められたホームですが、パンデミック期以前に比べて長い時間を過ごす上で、またウィルス感染という病により生と死が身近になる中、「ホーム」が含む意味に対して意識的、無意識的に思いをめぐらす機会も増えたのではないでしょうか。パンデミック以前から世界各地における難民問題はありましたが、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻も多数の新たな難民を生み出し、祖国・故郷というホームの別義に含まれる意味を私たちにも突きつけました。
本展「ホーム・スイート・ホーム」では、歴史、記憶、アイデンティティ、私たちの居場所、役割等をキーワードに表現された作品群から、私たちにとっての「ホーム」--家そして家族とは何か、私たちが所属する地域、社会の変容、普遍性を浮かび上がらせることを試みます。
タイトルの「ホーム・スイート・ホーム」は、愛しい我が家などとも訳せられ用いられてきました。ビターな社会が続く中で、私たちのホーム・スイート・ホームを見つめ直します。