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いいとこ取りの達人!?藤島武二の魅力に迫る @神戸市立小磯記念美術館

いいとこ取りの達人!?藤島武二の魅力に迫る @神戸市立小磯記念美術館

黒田清輝と並ぶ巨匠、藤島武二展が神戸小磯記念美術館で開催中!

エリート一家の三男として1867年に生を受けた藤島武二。

彼の母方の蓑田家は、江戸中期に蓑田常僖など狩野派の絵師を輩出した家柄です。一方、彼の祖父は、幕末期に西郷隆盛や大久保利通らと薩摩藩の中枢として活躍した蓑田伝兵衛でした。

そして今年は藤島武二の生誕150年を迎えます。

この展覧会では、彼の画業を振り返るべく、女性像や人物像、風景画、書籍の装幀や雑誌の挿絵などのグラフィック・デザインを含め、計150点が展示されています。

このブログでは、洋画家の巨匠・黒田清輝藤島武二の関係性にスポットライトを当て、藤島がフランスやイタリアへ留学に行くまでにどのような道をたどってきたのかをご紹介してきたいと思います。

こちらは、左から藤島武二《逍遥》(1897(明治30)年)、東京藝術大学蔵、藤島武二《池畔納涼》(1898(明治31)年)、東京藝術大学蔵。

この二つの作品は、白馬会という黒田清輝と久米桂一郎が立ち上げた洋風美術団体が結成されてから1年後に描かれた作品です。

同団体に参加していた藤島武二は、黒田が率いる外光派(※)の影響を強く受けています。

どちらの作品も、暖かな陽だまりの中、楽しそうにおしゃべりをする二人の女性が描かれています。

※外光派・・・アトリエ内の人工的な光を嫌い、戸外の直接的な光のもとで作品を制作することをよしとする流派。

黒田清輝はフランスに留学した際に、ラファエル・コランに師事し、その際にアカデミズムな画風印象派の画風をミックスした手法を生み出しました。

展示会場には、藤島が直接影響を受けた、黒田清輝の作品も展示されています。

こちらは、黒田清輝《アトリエ》(1890(明治23)年)、鹿児島市立美術館蔵。

黒田はもともと法律の勉強のためにフランスに留学していたのですが、一念発起して画家になることを決心し、コランの画塾で絵を学びました。

本作は、その3年後の作品ですが、黒田は見事にコランのアカデミー風の古典的なスタイルと印象派の色彩表現を習得しています。

藤島はその後、1902(明治35)年に白馬会の第7回展において《天平の面影》という作品を発表し、明治浪漫主義を代表する作品として大きな影響を与えました。

そして第9回展に展示されたのが、チラシにも使われているこちらの作品です。

 

藤島武二《婦人と朝顔》(1904(明治37)年)、個人蔵。

この作品に描かれている女性は顔立ちや髪型からおそらく日本人女性をモデルにしていますが、この女性が着ている衣服はなんとギリシャ風

ですが、見事にマッチングしていますよね。

藤島は西洋と東洋とを融合させた女性像を他にも多数描いています。

 

展示会場には他にも、藤島が手がけたグラフィック・デザインも多数展示されていました。

1901年、日本では、近代的な印刷技術が確立され、版画が盛り上がりを見せていきます。時を同じくして、洋装本が普及していきました。

藤島は洋画だけでなく、グラフィック・デザインの方面でも頭角を現していきます。

こちらは藤島が装幀を手がけた、鳳(与謝野)晶子『みだれ髪』(1901(明治34)年、明星大学蔵。

当時はアール・ヌーヴォー様式が流行り、藤島もミュシャのポスターに衝撃を受け、ミュシャ風のデザインのハガキデザインをいくつか手がけていますが、こちらの装幀では、文学と美術、ヨーロッパの文化と日本の文化が見事に融合しています。

藤島は黒田清輝と並ぶ洋画の巨匠であり、グラフィック・デザインの先駆者でもあったわけです。

次に展覧会風景をご紹介します。

神戸会場では、藤島武二小磯良平の師弟関係を探る展示室も設けられているので、そちらも要チェックです。

 

以上簡単にご紹介してきましたが、いかがでしたか?

藤島の作風はフランス・イタリアへの留学を通じて大きく変化していきます。

どのように作風が変化していったのか、ぜひ会場でご覧ください。

 

♦展覧会詳細♦

「生誕150年記念 藤島武二展」

会場:神戸市立小磯記念美術館

会期:2017年11月18日(土)〜2018年1月28日(日)

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

入館料:一般 800円、大学生 600円、高校生 450円、小中生 400円

展覧会詳細はこちらをクリック

 

 

 

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この記事を書いているのは
たねもー

たねもー

大学院で美術関連の研究をしていました。絵画や美術館、歴史、文学などいろんなことに興味があります。わかりやすいアートの解説や、行ってみたくなる美術館の紹介など、アートを広める活動に尽力しています。

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