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金沢での夢 『ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー』展

金沢での夢 『ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー』展

『ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー』展が金沢21世紀美術館でスタートした。世界的に高い評価を得ている2人のインスタレーション8点が、日本で初公開されている。音、光、細工や映像、様々な要素が融合した独創的な世界は、まさに見るだけではなく、体感するといえる。

The Killing Machine》 2007

 

 

1つの展示室に1作品が展示されている。各部屋ごとに物語があり、8つの空気を味わうことになる。どの作品においても、薄気味悪いかと思えば、美しい。大胆である反面、脆い。人工的であり、自然。どの形容詞をも当てはめることができるが、それだけでは言い切れない作品たちが迎えてくれた。

The Cabinet of Curiousness》2017

この写真の作品は、古いキャビネットそれぞれに、過去に彼らが作品作りのために集めた音源を入れている。音のアーカイブである。1つの引き出しを開けると、歌が流れたり、こどもの声が聞こえたり、全て違う音源が仕込まれている。
1つ引き出しを開けると、彼らの作品を辿るものとして、聞くこともできるが、同時に2,3つと棚を開けると、開けた本人、つまり自分自身が作った楽器へと変わるのだ。私と作品。周りにいる人たちが霞んだ瞬間であった。

 

The Marionette Maker》2014

≪マリオット・メーカー≫という作品には、色々な要素が込められていた。トレーラーの中に、マリオット、吊るされた本、物語の挿し絵や人体模型の図のようなもの、そして横たわる女性(これはカーディフから型を取った等身大の人形)や、マスク(仮面)。どの部分を感じ、考えたらいいのだろうと思わずにいられなかった。マリオット・メーカーが振り返る幸せな過去のひとときなのか、若さという過去を知る女性の気持ちなのか、トレーラーから見える雄大で美しい銀河なのか、ヒントを見つけるたびに考え、探し、また考える。いつしか作品に1人で迷い込んでいた。

The Carnie》2010

最後の部屋には、スピーカーや照明、ドラムなどの装飾を付けた古いメリーゴーランドが置かれていた。≪ザ・カーニー≫という作品だ。スイッチを押すと、想像以上の速さで回りはじめ、同時に気味悪い音楽が流れる。装置につけられた光が回転で線になっていく。

音楽が終わり、ハッと我に返る。私はどこにいたのだろう。

 

誰もいない海に落ちたようだった。でも、怖くはない。いつまでも一人で、ここで揺れていたいと感じた。

 

※トップの写真 《The Marionette Maker》2014
all works: Courtesy of the artists, Gallery Koyanagi, Tokyo and Luhring Augustine,
New York
『ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー』展
会期 :~2018年3月11日(日)
時間 :10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで。ただし1月2・3日は17:00まで)
※チケット販売は閉場30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし1月8日、2月12日は開館)、12月29日~1月1日・9日、2月13日
問い合わせ:金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800
金沢21世紀美術館HP→

 

 

カワタユカリ の紹介

じわじわと来年の展覧会情報が出始めています。それとともに、今年の展覧会ベスト10を言い始める人も…。今年の展覧会を振り返りつつ、気分は2018年へ。鬼が笑っています。
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この記事を書いているのは
カワタユカリ

カワタユカリ

美術大好き、年齢とは反比例の駆け出し美術ライターです。
現代アートを中心に、読むと行きたくなるような記事を書いていきたいと思っています。
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