ライターブログトップへ

「市中の山居」中之島香雪美術館 事前見学会に参加してきました。

「市中の山居」中之島香雪美術館 事前見学会に参加してきました。

御影の「香雪美術館」も大のお気に入り美術館で企画展の度にお出かけしています。「ええもん持ってはるぅ」から「なんでこんなものがここに」の驚きまで、朝日新聞社創業者村山龍平コレクションです。関西でも御影の香雪美術館 や大阪の藤田美術館のような財界人が東洋美術の海外への流出を救ったのだと感じています。

今回はアサヒ・ファミリー・ニュース社さん主催「時代と建築の響きあい~中之島フェスティバルシティ完成記念~「ツインタワーのできるまで」&「中之島香雪美術館」事前見学会に参加してきました。最近「中之島香雪美術館」の取材記事を目にすることが多く気になっておりましたし、国立国際美術館へ行く道すがらフェスティバルタワー・ウエストが建ち上がっていく様子を見上げてきました。

最初に「ツインタワーのできるまで」と題して、施工された竹中工務店の陳雨青氏からツインタワーの概要や過程、建設に携わった方の事まで立て板に水の如く流暢な日本語で時々ユーモアも交えてご説明がありました。施工方法など難しい建築専門用語などもありましたが、図面と綿密な計画と、現場でのコミュニケーションによる日々改善向上前進と仕事に携わる方各人の誇りを受け止めました。定点観測の映像と各現場での動画、写真から今後へと繋がる記録も拝見しました。建てるだけでなく、解体して建てるというプロジェクトでした。立地は大阪の賑やかなビジネス街の中で、ツインタワーの間には四ツ橋筋が南北に走り、水の都大阪を象徴するように堂島川と土佐堀川にはさまれ、すぐそばに地下鉄と京阪線も走っています。さらにはビルの中を阪神高速まで通っており、阪神高速上の解体作業には5日間しかなかったとのお話には驚きました。お話を伺った中之島会館の壁の後ろは阪神高速でした。作業の安全、作業者の安全、周囲の環境への配慮、工期のリミット、効率化、防音対策、免震と立ちはだかるものは数限りなくあるように思えました。

完成後はここに携わった方々のご家族へのお披露目があり、ツインタワーそれぞれに携わった方のお名前がプレートに刻まれているそうです。物が残るお仕事素晴らしい。施工は竹中工務店、設計はここも「日建設計」でした。中国から来日して京都の大学で建築を勉強され竹中に入社され、誇りと希望に満ちた溌溂とした陳雨青氏で今後は世界に向けて益々ご活躍されていくだろうと眩しい思いで拝聴しました。

2018321日のオープンを待つ「中之島香雪美術館」については、中之島香雪美術館開設準備室長 臼倉恒介氏がご説明くださいました。

中之島香雪美術館がある4階ロビー・エントランスへと上がってくるとまず目に飛び込んでくるキンキラの「切子格子」です。ちょっと東京ミッドタウンのサントリー美術館を思い出させる和テイストの作りです。

コンセプトは
①喧騒を忘れ静かに美術品と向き合える美術館
②幅広い人々が集う都市型美術館
③伝統と革新の融合した新たな展示スペース
④魅力ある企画展や多彩な展示に対応する空間
⑤重要文化財・ 茶室「玄庵」を再現
ビジネス街、高層ビル群の中に静謐な場として現代の「市中の山居」として存在する美術館として誕生します。様々な法律上の問題をクリアして、展示室は、この美術館のために開発されたハイスペック技術と機材が投入されたそうです。長い展示ケースも見どころで、超高透過で低反射ガラスを使用、高演色性能LED照明は、個別調光も可能で異次元の鑑賞環境と説明されています。展示室ガラスは、鑑賞者が写り込まず、本当にガラスがあるの?な感じでした。照明は展示物での体験が楽しみです。受付には、大谷石が使用され、年が経るにつれて模様が浮き出す楽しみは、高麗茶碗の雨漏り手の様だと思いました。4階フロアーは天井までの高さは7mと高く、展示室は天井に格子形状のルーバーが配置され、ルーバーまでの高さは4.5mとなっています。フェスティバルタワーウエストは今春竣工しましたが、美術館オープンまでの1年間は、建築資材から発生する化学物質を枯らす期間だそうです。そういえば京博の平成知新館も竣工からオープンまで随分期間があった記憶があります。

常設展示「村山龍平記念室」では村山龍平関連の展示と中之島の変遷を年表やパネルで展示されています。見どころは神戸御影の旧村山家住宅のジオラマでしょうか。先日見学に出かけた旧乾邸から阪急御影に降りてきた所です。明治期岡倉天心と高橋健三が創刊した美術雑誌「國華」はすぐに経営が行き詰まり、それを援助したのが村山龍平と上野理一です、後に朝日新聞社がこれを引き継ぎました。「國華」は月刊誌で12か月同じ表紙だそうです。創刊号を展示し、発行された表紙がパネル展示されています。開館後は表紙がタッチパネルで観られるようになるのではと。中之島の変遷展示では、窓から外の景色が見えるようになっており、嘗ての風景と現在の風景を見比べることが出来るように工夫されていました。

「中之島玄庵」と称して重要文化財 旧村山邸に建つ茶室「玄庵」を原寸大で再現したところが見どころです。資材も工法もすべてをそのまま再現し、露地はビル内の美術館に水や植物は厳禁とのことで本物?と見紛うほどにこちらは模造品で再現されていました。正面からでは見えないところも忠実に再現したとの事で、反転してもお見せできるとの事でした。村山龍平は、藪内流茶道を修め、「玄庵」は藪内流家元の茶室「燕庵」の忠実な写しです。「中之島玄庵」は、そのまた写しということになります。御影の香雪美術館の様に季節ごとの取り合わせをこの「中之島玄庵」で拝見できるかもしれません。御影の玄庵の四季や一日の光の移ろいもCGや照明で演出されています。

オープンからの1年間は、開館記念展「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」として5期に分けて村山コレクションが紹介されます。あのお宝にもこのお宝にもきっとお目にかかれることでしょう。オープンの日が待ち遠しいです。

大阪のビジネス街の中に誕生する大人の美術館、東京六本木のサントリー美、新国立美、森美の様に、国際美、東洋陶磁美と「中之島香雪美術館」それぞれに個性あふれる美術館として中之島公会堂やフェスティバルホール、図書館とともに大阪の中之島がビジネスと文化の街へと変わりつつあります。望むなら、プレミアムフライデイだけでも、閉館時間を遅くにしていただけないかとお願いしたい。国際美も金曜日と土曜日は夜間開館を実施しています。会社帰りのビジネスマンが心静かな場所を求めて、「中之島香雪美術館」が、まさに「市中の山居」となることをご検討願いたい。
【中之島香雪美術館 概要】
u 名  称:中之島香雪美術館
u 所 在 地:大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階
u 開館時間:午前10時~午後5(入館は午後430分まで)
u 休 館 日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)※展示替えなどによる臨時休館あり
u 入 館 料:一般 900(700)/高大生500(350)/小中生200(100)
()は前売り・20名以上の団体料金
u 交通アクセス ・地下鉄四つ橋線「肥後橋」駅、京阪中之島線「渡辺橋」駅と直結
JR大阪駅桜橋口より徒歩11
・地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅より徒歩6
JR東西線「北新地」駅より徒歩8
u 中之島香雪美術館 HPは⇒コチラから

☆中之島香雪美術館開館記念展「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」☆
Ⅰ   美術を愛して      2018321(水・祝)422()
Ⅱ  美しき金に心をよせて  2018428()624()
Ⅲ 茶の道にみちびかれ   201877()92()
Ⅳ ほとけの世界にたゆたう 2018106()122()
Ⅴ  物語とうたにあそぶ   20181215()2019211(月・祝)
 
【参考】
・フェスティバルシティ 詳しくは⇒コチラから
・香雪美術館 HPhttp://www.kosetsu-museum.or.jp/
・竹中大工道具館 HPhttp://www.dougukan.jp/

licoluise の紹介

ARTが好きなのか?美術館に行くのが好きなのかしら? 行きかけると拍車がかかって、前のめりになっている今日この頃かもしれません。 「知らない」「???」が増えるばかりです。
カテゴリー: +展覧会   タグ: , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク
この記事を書いているのは
licoluise

licoluise

MUSEUMコンシェルジュになりたいが、ARTには全くの素人。山間部育ち、専攻は「東洋史」、ただただ美術館へお出かけするのが大好きな私が、阪神間の美術展、アート関連施設やアートイベントなどについてアートへの思いを綴ります。つたない文章ですが、読んでくださる方々が、お出かけしてみようかなと思ってくださるきっかけになればと思っております。

コメントは受け付けていません。