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受験生も必見。「正倉院」の実は。「第69回正倉院展」@奈良国立博物館

受験生も必見。「正倉院」の実は。「第69回正倉院展」@奈良国立博物館

「第69回正倉院展」が始まりましたね〜!
実は私、正倉院展に行くのは今回が初めて。

ということで、今回のレポートでは、初心者目線で正倉院展をご紹介していきます。

まず、みなさん「正倉院」って知っていますか?

センター試験の日本史Bでは必須中の必須。超重要ワードですよね。

でははじめに、「正倉院」の概要から見ていきましょう。

「正倉院」とは、奈良時代に、国や郡、大寺院などに造られた、「正倉(しょうそう)」(※)という倉庫に端を発します。

※正倉には穀物や種々の財物、道具類が収められていました。

奈良時代にはこの正倉がたくさん存在し、正倉が置かれた区画のことを「正倉院」と呼んでいたのです。

しかし長い歴史の中で多くの正倉は失われ、現存するのは東大寺正倉院(※)の正倉のみ

※現在は宮内庁管理。


こうして東大寺正倉院の正倉のことを「正倉院」という固有名詞で呼ぶようになったんです。その中には聖武天皇の使用した宝物も納められていたといいます。

残ったのは東大寺正倉院の正倉(以下、正倉院)だけか・・・

だとすると、その中にある宝物も少ないのかな?と思われた方。

驚くなかれ。

正倉院にはなんと約9,000件もの宝物が収められています。

この宝物のうち、中核をなしているのが、聖武天皇の時代に作られたもの。

それを含め奈良時代に制作されたものが宝物の大半を占めています。

毎年開催されている「正倉院展」ですが、今年の見どころはズバリ、仏様への捧げ物や供養に用いられた宝物と、奈良時代の官人(役人)が身につけていた佩飾品(アクセサリー)です。

ではまず、仏様への献物からご紹介しましょう。

こちらは、《蘇芳地六角几(すおうじのろっかくき)(献物用の台)》中倉蔵。

台の脚の部分に注目してください。

べっ甲っぽいですよね。

実はこちら、「仮玳瑁(げたいまい)」という手法で描かれた模様なんです。

当時、入手し難い輸入材だった玳瑁(たいまい)(※)の模様を、彩色と箔押しなどによって見事に表現しています。

※玳瑁とは・・・ウミガメの一種。甲羅がべっこう細工の原料となる。

 

こちらは、《緑瑠璃十二曲長杯(みどりるりのじゅうにきょくちょうはい)(ガラスのさかづき)》中倉蔵。

深い緑色がとても印象的なこちらのさかづきは、ガラス製の酒杯で、仏・菩薩への供養具の一つではないかといわれています。

長側面(写真で見えている面)にはうずくまるウサギがいるのがわかりますか?

ウサギの下には水草のような植物が描かれています。

両短側面には、チューリップのような草花も表現されています。

 

次に佩飾品をご紹介します。

こちらは、《沈香把玳瑁鞘金銀荘刀子(じんこうのつかたいまいのさやきんぎんそうのとうす)(小刀)》中倉蔵。

※写真の左にあるのが刀身で、右がその鞘(さや)と把(つか)です。

 

奈良時代の官人(役人)の間では、中国の制度に倣って美しい装飾の施された帯に刀子(とうす)を付けることが流行していました。

ご覧の通り、刀子は切れ味がとっても良さそうですよね。

実際、木簡を削ったり、紙を切ったりと実用性も兼ね備えていたようですが、主たる機能は腰飾り(アクセサリー)です。

「正倉院展」では、刀子は3種類ほど展示されていますが、私はこれが一番オシャレだと思いました。

 

最後にナニコレ!?的な一品をご紹介します。

こちらは、《臈蜜(ろうみつ)(ミツバチの巣から作った蠟)》北倉蔵。

一瞬「なんだこれは・・・」と固まってしまいますね。こちらは、いわゆる蜜蠟(みつろう)。

こちらは、ミツバチの巣を加熱、圧搾し、採取し、円板状に丸く固めたものです。蜜蠟といえば、化粧品(ハンドクリーム)などによく使われていますよね。

当時は下痢止めに効果がある薬として用いられていたようですが、『雑物出入継文(ざつもつしゅつにゅうけいもん)』という書物によると、延暦24年(805)11月15日に約13㎏の臈蜜が蔵から出され、大仏を支えていた山形(築山)の彩色を固めるために使われたと記されています。

見た目はちょっとアレですが、宝庫には大量に備蓄があります。

臈蜜は薬用のほかに、工芸等の用途にも用いられていたんですね~

 

展覧会風景はこんな感じでした。

歴史に全然詳しくない人も、この「正倉院展」を見れば、正倉院や奈良時代に興味がもてること間違いなし!

 

この機会に正倉院デビューしてみませんか?

 

♦展覧会情報♦

展覧会名:第69回正倉院展

会期:平成29年10月28日〜11月13日

会場:奈良国立博物館

会期中無休

開館時間:午前9時〜午後6時まで

※   金・土・日・祝日は午後8時まで

料金:一般 1100円、高・大生 700円、小・中学生 400円

正倉院展詳細はこちらをクリック

 

♦オススメの行き方♦

【JR】大阪駅(JR大阪環状線 京橋・鶴橋方面)→【JR】鶴橋



【近鉄】鶴橋(近鉄難波・奈良線急行)→近鉄奈良



下車後、登大路を東へ徒歩15分ほど

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いているのは
たねもー

たねもー

大学院で美術関連の研究をしていました。絵画や美術館、歴史、文学などいろんなことに興味があります。わかりやすいアートの解説や、行ってみたくなる美術館の紹介など、アートを広める活動に尽力しています。

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