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COOL JAPAN再発見。思わず触ってみたくなる漆の美の世界!黒田辰秋展@美術館「えき」KYOTO

COOL JAPAN再発見。思わず触ってみたくなる漆の美の世界!黒田辰秋展@美術館「えき」KYOTO

京都・祇園に生まれ、1970年に木工芸における初の重要無形文化財保持者(人間国宝)となった木漆工芸家、黒田辰秋の回顧展が美術館「えき」KYOTOで開催中です。

 

「最も美しい線は削り進んでいく間に一度しか訪れない。削り足りなくても駄目、削り過ぎても駄目。

 

これは黒田辰秋自身の言葉です。(図録より引用しました)

この言葉を胸に、彼の作品を実際に見てみると、足してもダメ、引いてもダメ、その微妙なバランス感覚の元に成り立っている作品であるということが実感させられます。



黒田辰秋『螺鈿くずきり用器』(1932年)。

こちらは京都・祇園の老舗菓子舗「鍵善良房」にて実際にくずきりの容器として使用されていた作品です。

螺鈿は鍵のマークと、鍵善良房の一文字ずつをあしらった計5つ。

現在は喫茶室にて提供されていますが、当時は店先や奥座敷でさらっと出されていたそうです。

こちらは黒田辰秋『赤漆流稜文飾手筐』(1955-60年)。

黒田の作品には螺旋をモチーフとしたものが多く見られますが、こちらの作品は、他の作品と見比べてみてもとても挑戦的な作品です。

通常、螺旋といえば円形や球体の曲面に沿って刻まれますが、この『赤漆流稜文飾手筐』は、直方体の曲面に螺旋がぐるぐると刻まれています

漆を見るとなぜか無性に触ってみたくなるのは私だけでしょうか。

この作品なんかは、「質感を触って確かめてみたい」と強く思うほどに、その形やしっとりとした漆独特の質感に惹きつけられました。

こちらの作品は、黒田辰秋『乾漆八稜水指裡耀貝螺鈿』(1960-65年)。

外は真黒でザラザラとした触感とは対照的に、中はキラキラと光っています。

まるで小宇宙を内包しているかのようです。

こちらは茶道で用いられる水指(みずさし)だそうですが、それにしてもなんでしょう、この存在感。

※水指とは、茶道の手前(お茶をたてること)で、茶釜に水を足したり、茶碗や茶筅(ちゃせん)を洗う水を入れておく道具です。

内側に貼られているのは今は絶滅危惧種のメキシコ鮑です。

当時、メキシコ鮑は洋服のボタンを作るために採集されてきたため、中央部の一番色の発色の綺麗な部分は不要とみなされていました。

黒田はこのメキシコ鮑に着眼し、いろいろな螺鈿(らでん)作品を手がけています。

 

では最後に展覧会風景をご紹介します。

こちらには、黒田が京都・祇園の老舗菓子舗「鍵善良房」のために制作した店頭ウィンドウの四枚戸や、葛きりの容器などが展示されています。

こちらでは黒田辰秋が手がけた家具を展示しています。

最後にお土産コーナーから、オススメのお土産をご紹介します。



オススメお土産No.1は・・・

梅をモチーフにした黒田の朱漆の作品から着想を得た、コースター(1188円)です!

二枚セットでとてもお得です。

オススメお土産No.2は・・・

「鍵善良房」の四枚戸をモチーフにした、ぼうろ「御むすび」(324円)です。

 



中身はこんな感じです。

お、おいしそう・・・。

この機会にぜひ黒田辰秋の作品をご体感ください。

 

♦展覧会情報♦

「美術館「えき」KYOTO開館20周年記念 京の至宝 黒田辰秋」展

会期:2017年9月2日〜10月9日

(会期中無休です)

 

こちらの展覧会と合わせてぜひ行っていただきたいのが、鍵善良房本店(四条本店)です。

四条本店では、黒田辰秋の大飾棚が今なお使われています。

鍵善の代名詞となっている葛きり、ぜひご賞味ください。

 

 

 

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この記事を書いているのは
たねもー

たねもー

大学院で美術関連の研究をしていました。絵画や美術館、歴史、文学などいろんなことに興味があります。わかりやすいアートの解説や、行ってみたくなる美術館の紹介など、アートを広める活動に尽力しています。

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