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脳トレ?! 『ライアン・ガンダー -この翼は飛ぶものではない』

脳トレ?! 『ライアン・ガンダー -この翼は飛ぶものではない』

7月2日まで『ライアン・ガンダー―この翼は飛ぶものではない』展が国立国際美術館で開催されています。さて、このタイトルを聞いただけで、なにやら意味深で難しいかも?と思われた人もいるでしょう。

楽しみ分半分、”いわゆる現代アート”の難しさの予感半分です。



≪主観と感情による作劇≫と≪あまりにも英国的というわけではないが、ほぼ英国的な≫というタイトルがそれぞれ付けられた2作品です。

後ろにずらっと横並びになっているのは、500体ものプレイモービル。それぞれ違う衣装やポーズの人形です。そして手前の白いクシャッとしたもの・・・これも作品です。ガンダーが書いた本の1ページが破られ、そこに捨てられています。

この2つの作品を前に、私たちは何を思いますか。

それ以前に、これらは作品なのかどうか疑わしいとさえ思うかもしれません。周りの人は、楽しそうに観ている気がするけど、私にはよくわからない。なぜ私にはわからないのだろうか・・・。観ているうちにどんどん不安にさえなります。

この展覧会は、国内の公立美術館で初めてのガンダーの個展となり、過去約10年間の作品が70点ほど並べられています。地下2階にて開催中の『ライアン・ガンダーによる所蔵作品展―かつてない素晴らしい物語』で観た彼が放つアイデアの面白さ、自由な発想を十分に堪能した後に、この地下3階での個展は、パンチ力がありました。

ガンダーは言います。

作品を前に①感じること、②(自分の持つ知識で)どう解釈するのか。

この2点とも難しい作業であることも彼は理解しています。2つ目に関しては、自分の考えや感情を信じなければできないとも話しています。(4月30日同館での講演会より)

100人観たら100通り、観た人の数だけ解釈が生まれるのが、アートである。1つの対象物をみて、皆が同じことを思う物は、単なる”モノ”だ。」と彼は講演で話していました。



展覧会、そして参加した講演会を通して、ガンダーはアートというものを色んな方向から見直している気がします。見直すというか、アートとは何かを今、再度組み立て直すことを自分に課しているのかしらとさえ感じます。上手く書けませんが、想像を超える深さ、また想像を超える先(未来)までを常に考えている人なんだと感じました。(でも目の前にある作品は、閃きのような軽さがあるのです。そこがかっこいい。←個人的には)

作品そのものではなく、それを観て「鑑賞者が感じ、考える」行為を導き出すことが、ガンダーの作品で、それが新しいコンセプチュアルアートの旗手と言われている理由の一つなのかもしれません。

好きでも嫌いでもいいのです。何かを思う、そのことを意識して、今世界で注目されている作家の作品を楽しみましょう。





『ライアン・ガンダー -この翼は飛ぶためのものではない』

http://www.nmao.go.jp/exhibition/2017/gander.html

同時開催 『ライアン・ガンダーによる所蔵品展―かつてない素晴らしい物語』

  • 開館時間 10時から17時
  • 金曜日、土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)
  • 休館日 月曜日
国立国際美術館

〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-2-55

TEL:06-6447-4680

 

カワタユカリ の紹介

朝夕、すっかり秋の気配がします。芸術の秋か、それとも食欲の秋か、毎年のことながら戦いが切って落とされます。 ブログも書いています。良かったら覗いてください。 『美術な関西人』artandkansaiblog.wordpress.com
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この記事を書いているのは
カワタユカリ

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美術大好き、年齢とは反比例の駆け出し美術ライターです。
現代アートを中心に、読むと行きたくなるような記事を書いていきたいと思っています。
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