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50年も続く友情ってどんなもの? マティスとルオー展 @あべのハルカス美術館

50年も続く友情ってどんなもの? マティスとルオー展 @あべのハルカス美術館

みすず書房から『マティスとルオー 友情の手紙』が出版されたことを記念して、マティスとルオーの友情に迫る展覧会があべのハルカス美術館で開催中です。

展覧会会場のテーマカラーは。情熱的なルオーを赤色、冷静さを持つマティスを青色で表現しているそうです。

評論家の山田五郎氏は二人の関係を「つかず離れずの理想的な友人関係」だったのではないかと論じていますが、半世紀も続く友情ってどのようなものなのでしょうか。

マティスとルオーが初めて出会ったのは1892年、国立美術学校のギュスターヴ・モロー教室での事でした。

二人は、模倣や追随に終わるのではなく、個性を大事にしなさいというモローの教えを守り、それぞれの道を歩んでいきました。



こちらはすべてマティスの作品で、左から、《室内:二人の音楽家》(1923年)、《鏡の前の青いドレス》(1937年)、《花とコーヒーカップ》(1924年)、《肘掛椅子の裸婦》(1920年)です。

マティスは豪華な調度品に囲まれながら、ポーズを取るモデルを多く描いてきました。これは病気療養のために訪れた、南仏のニースで自分の感覚を頼りに作品を制作することによって生み出された様式です。



こちらは、ルオー《マドレーヌ》(1956年)です。

この作品の「マドレーヌ」という女性は、キリスト教に登場するマグダラのマリアを彷彿とさせる名前ですが、女道化師がテーマとなっています。

「道化師」はルオーがとても愛したモチーフで、ルオーは社会的底辺にある人々を描くことで、人間の内面を描き出そうとしました。

ルオーの作品は、この作品もそうですが、幾重にも絵の具が塗り重ねられていて、表面がゴツゴツとしていて、とても重厚感があり、圧倒されます。

パッと見ただけでも作風も性格も正反対の二人ですが、だからこそお互いの領域を邪魔することもなく、尊敬し合い、支え合うことがでいたのではないかと私は勝手に推測しました。

それにしても50年も続く友情ってすごいですよね。

処世術を二人から是非学びたいものです。

最後に、ちょっと意外なマティスの作品があったのでご紹介します。

これは、全てマティスの版画集『ジャズ』シリーズ(1947年)の作品です。

マティスは晩年、病気で体力が落ちてきたことから、切り紙を使った作品を多く手がけますが、どれもカラフルでデザイン性に優れたものばかりです。

このシリーズには、道化師や曲芸師が登場するサーカスをイメージした作品が多くあります。

それぞれがどんな芸をしているのか当ててみるのも面白いかもしれませんね。

展覧会の最後には、こんなフォトスペースも。

このドレスは、先ほどご紹介したマティスの《鏡の前の青いドレス》を再現しています。(後ろに写っているパネルの左の作品です)

後ろから顔を覗かせて20世紀のフランスを追体験してみませんか?

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「マティスとルオー 友情50年の物語」展

於 あべのハルカス美術館

会期 2017年4月4日〜5月28日

一般 1400円、大高生 1000円、中小生 500円

展覧会情報はこちらをクリック

 

 

カテゴリー: +キッズ, +展覧会, +街角   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク
この記事を書いているのは
たねもー

たねもー

大学院で美術関連の研究をしていました。絵画や美術館、歴史、文学などいろんなことに興味があります。わかりやすいアートの解説や、行ってみたくなる美術館の紹介など、アートを広める活動に尽力しています。

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