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西宮の狩野派 「勝部如春斎」展 @西宮市大谷記念美術館

西宮の狩野派 「勝部如春斎」展 @西宮市大谷記念美術館

みなさん、「勝部如春斎」ってご存知ですか?

かくいう私も今まで知りませんでした。

実は勝部如春斎(1721-1784年)、彼は西宮にある裕福な醸造家生まれの画家で、なんと今回が初めての展覧会デビューです。

はじめにパンフレットを見たとき、狩野派のような作品だな、、と思ってはいましたが、実際に作品を見てみると、襖絵からは確かに狩野派の画風が感じられます。しかし、如春斎の屏風や掛け軸、絵巻からは、18世紀に活躍した日本画家の様々な画風を貪欲に吸収しているんだな、という印象を受けました。

さて、ここで「狩野派」ってなに?と思われた方のために、簡単に狩野派についてご紹介します。

狩野派とは、室町時代から江戸時代の終わりまで活躍した絵師集団を指しています。狩野元信という人が最初の発起人で、彼は、ダイナミックな構図でありながらも、細かいところまで丁寧に描く様式を確立し、障壁画や肖像画、仏画などを制作し、人気絵師になりました。

そして次第に武将たちから大量に注文が入るようになったわけですが、一人じゃ描ききれない!ということで思い立ったのが、「図案は自分のものを使って、あとは弟子に描かせよう!」ということでした。

こうして元信は自分の作品を大量生産することができるようになり、当時贈答品として人気を集めていた扇の絵に関しては、幕府に独占販売(今でいう特許?
)を申し出るなど、経営者としての手腕を発揮しました。

以降狩野派は脈々と400年も続きます。

昨年は若冲生誕300周年を記念して、伊藤若冲の展覧会が全国でたくさん開かれましたが、若冲が活躍していた江戸時代中期、実は絵画のシェア90%は狩野派が占めていたんです。当時、どれほど狩野派が影響力を持っていたかがお分かりいただけるでしょう。

長くなってしまいましたが、勝部如春斎が活躍した江戸時代においても狩野派は大活躍していて、如春斎は櫛橋栄春斎という画家に狩野派の技法を学んだとされています。

では、如春斎が狩野派と他の絵師の技法をどのように自分の作品の中で表現していったのかを見ていきましょう!


 

 

 

 

こちらは、勝部如春斎『小袖屏風虫干図巻(部分)』大阪市立美術館蔵。

描かれているのは、夏の虫干し(日光に当てて、湿りやカビ、虫の害を防ぐこと)の作業です。

空想で描いたのか、はたまた現物を見て描いたのかは定かではありませんが、絵巻には琳派を思わせるような屏風や、中国由来のテーマを描いた屏風など、本当にさまざま。

18世紀に描かれたものだとは思えないほど、きれいに発色していますよね。

これ実は、注文主がお金持ちで、いい絵の具を買えるほどの財力があったからなのではないかと言われています。



こちらは、勝部如春斎『三十三観音図 大自在天身』茂松寺蔵。

明兆という画僧の円熟期の代表作『三十三観音図』の図様を如春斎がアレンジしたものです。

展示会場では、如春斎版と明兆版が隣同士に並んでいるので、ぜひ見比べてみてください。

如春斎の方は色使いが明るく、観音さまはチークを塗った様にポッと頬が赤くなっているんです。

そこがなんとも可愛らしくて、この作品はお気に入りの一点です。

 

 

 

 

 

狩野派の伝統的な技法を引き継ぎながらも、さまざまな流派の作風を自分の作品として表現していく如春斎の緻密な作品をぜひ会場でご体感ください。

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今日のランチは夙川にあるパン屋さんオンコーアンマタン



これはサラダセットで853円でした。

カラフルなクロワッサンにキャベツやチキンが挟んであって、絶妙なマッチングでした。

 

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♦展覧会情報♦

「西宮の狩野派 勝部如春斎 18世紀摂津の画人列伝」展

於:西宮市大谷記念美術館

会期:2017年4月1日〜5月7日

休館日:水曜日

一般:800円、高大生600円、小学生400円

 

展覧会詳細はこちらをクリック

 

 

カテゴリー: 未分類, +体験, +展覧会, +街角   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク
この記事を書いているのは
たねもー

たねもー

大学院で美術関連の研究をしていました。絵画や美術館、歴史、文学などいろんなことに興味があります。わかりやすいアートの解説や、行ってみたくなる美術館の紹介など、アートを広める活動に尽力しています。

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