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国宝 曜変天目茶碗 これが本物!!です。『ザ・コレクション』@藤田美術館

国宝 曜変天目茶碗 これが本物!!です。『ザ・コレクション』@藤田美術館

藤田美術館の春季展が始まりました。なにせ展示室が空調設備のない「土蔵」なので、過酷な季節の展示はない。私がギャラリートークに参加した日も、寒の戻りの寒い日でした。しかし、この土蔵の展示室が何とも良いのです。

物議をかもした「曜変天目茶碗」の本物を見たいとか?ギャラリートークもいつもよりかなり多い。今回の春季展は、藤田のお宝の中でも名品と知られている品をドーンと展示です。

前期後期で大幅展示替えですが、《国宝 曜変天目茶碗》は全期間展示です。

前期後期ともに観ると藤田美所蔵の国宝はコンプリート出来るそうです。ギャラリートークは、今回は1階の国宝を中心に解説、とても分かり易い解説ですのでお薦めです。

参加の皆様は、ほぼお目当ては《国宝 曜変天目茶碗》ですが、それは解説するまでもないところです。

ギャラリートークで伺った中でも特に気になった作品をご紹介したいと思います。

重文 木造地蔵菩薩立像 快慶作照明の当たる所を観れば一目瞭然の、色鮮やかな彩色と細やかな截金がとても美しい。お顔もシュッとしてはる。截金は前面だけでなく360度すべてに施されており、彩色も截金も制作当初のものだそうです。光背も目を惹くほどに美しいのですが、これは後補らしいです。光背にあるガラスの梵字が文殊菩薩の物だからだそうです。それにしても像と光背はあまりにもぴったりです。像の足枘に「巧匠法眼快慶」と「開眼行快」と墨書きがあり、快慶とその弟子行快によって作られたものであることが分かるそうです。弟子行快は、玉眼を使ったという事でも分かるという事ですが、眼が細くて玉眼かはわかりませんでしたが。蓮華の下の雲は、後ろへ跳ね上がっており、横から見ると像は前傾姿勢で、地獄に堕ちたものを救う来迎形だそうです。勿論、快慶工房での制作ですが、かの運慶が彫刻的-彫りが魅力なのに対し、快慶は絵画的という事がこの像を観ても分かります。4月からの『快慶展』@奈良国立博物館へも前期展示後に2週間ほど出張されるそうです。その前にここでじっくり観るのがお薦めかも。この像は、廃仏毀釈の折に益田鈍翁が興福寺から一括購入したものだそうで、鈍翁から藤田傳三郎へ渡ったものです。藤田美術館を訪れる度に、何故にこんなものがここに(私設の美術館に)あるのか?と驚くのですが、「廃仏毀釈」の凄まじさを伝え、その時海外への流出を何とか止めようと財を投じた財界人を知ることになります。

国宝 深窓秘抄百一の和歌を書き写した巻子、○○切れでない、つまり切断されていない巻物です。料紙にあれ?そうです青や紫の繊維を漉き込んだ料紙なのです。洒落ています。そこに認められた流れるような仮名が美しい、こう云うのを「流麗」というのでしょうか。仮名のお手本だそうです。日本の仮名文字なればこその、墨の濃淡や墨つぎの美しさを愛でる。はぁ~柔らかで、うっとりとため息しきりです。

国宝 玄奘三蔵絵こちらも藤田美を代表する所蔵品ではないかと、平成23年夏に奈良博で開催された『天竺へ~三蔵法師3万キロの旅 では、全巻展示でしたが、藤田美を訪れる度にどの巻が展示されているかと楽しみにしています。彩色の美しさと画面構成の巧みさに注目です。3/94/9は、巻第一 が展示中。玄奘が国禁を犯してまでも印度へ旅に出る決心する重要な場面が描かれています。波の描き方にも工夫し海は深く、山(須弥山)はより高く聳えるように描かれています。鎌倉時代に描かれたものですが、奈良興福寺大乗院所蔵の宗祖の絵として、門主交代の時にのみ新門主だけが閲覧できた秘宝中の秘宝で、限られた人が限られた時にしか目にすることが出来なかったため、現在まで色褪せずに伝えられてきたそうです。見る事が叶わない唐の風景が想像豊かに描かれています。

国宝 曜変天目茶碗世界に3つしかない曜変天目の1つです。見る角度で茶碗の中の輝きが違う。茶碗の中に宇宙を観るとはよく言ったものです、まさにまさに。物静かに妖しい輝きを放ち、茶碗の中を覗き込むと心奪われ持っていかれてしまう「妖碗」かも。ギャラリートーク後、学芸員さんが茶碗の側面に光を当ててくださいました。見えましたポツポツと蒼いドットが。人がいない間に《国宝 曜変天目茶碗》を独り占めしちゃいました。眼福。

《法隆寺五重塔伝来塑像 童子》お行儀よく膝をついた姿勢の愛らしい塑像ですが、現在も法隆寺五重塔の初層にある土で作られた塑像群のうちの1体って?!どうなの?と思ってしまいました。《国宝 大般若経は、平成23年の奈良博の特別展の際に一緒に展示されていました。薬師寺に伝わっていた600巻の内387巻が藤田美の所蔵です。これも「廃仏毀釈」と関係しているのでしょうか?

個人的には、やはり茶道具が毎回楽しみです。《祥瑞砂金袋共蓋水指》祥瑞の鮮やかな青い色が清々しく美しいし、下膨れの形も素敵です。《玉子手茶碗 薄柿》箱書は小堀遠州です。丸っこい可愛い形と優しい色合いと手の収まりもよさそうです。意表を突かれたのが《碁盤型蒔絵香合》小さいながらも本当に碁盤の形をしています。これが実は細かい金粉を蒔いた蒔絵とは驚きです。そこに碁盤の目が黒漆で引かれています。茶の湯の席では一興だったことでしょう。

後期には武野紹鷗が所持していたと伝わる《大井戸茶碗 蓬莱》や松花堂昭乗が所持していた《国司茄子茶入》が展示される予定です。

5/2からの後期にも、重文、国宝のお宝ザクザクの展示となっているようです。

藤田美術館の外観と嘗てお屋敷だった藤田邸跡公園(桜之宮公園)入口門の写真を掲載しています。

【開催概要】
・藤田美術館 ザ・コレクションHP: http://www.fujita-museum.or.jp/exhibitions.html
・会  期:前期:34()430日/後期:52()611()
休館日:月曜日(月曜祝日の場合は翌平日)
・入館時間:10001600(閉館時間は1630

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ARTが好きなのか?美術館に行くのが好きなのかしら? 行きかけると拍車がかかって、前のめりになっている今日この頃かもしれません。 「知らない」「???」が増えるばかりです。
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MUSEUMコンシェルジュになりたいが、ARTには全くの素人。山間部育ち、専攻は「東洋史」、ただただ美術館へお出かけするのが大好きな私が、阪神間の美術展、アート関連施設やアートイベントなどについてアートへの思いを綴ります。つたない文章ですが、読んでくださる方々が、お出かけしてみようかなと思ってくださるきっかけになればと思っております。

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