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endless 山田正亮の絵画/京都国立近代美術館

endless 山田正亮の絵画/京都国立近代美術館

ストライプの作品が並ぶデザイン的な展覧会なのかなという期待で東京での展覧会に行き、観終わった時には、入場していた時の自分の気持ちを忘れるぐらい、なんともいえない気持ちになりました。とんでもない展覧会を観た・・・とも感じました。

今月から始まった山田正亮展。彼は、生涯に約5,000点の作品を残し、その中の219点が展示されています。「Still Life」「Work」「Color」の3種類のタイトルに作品が分かれており、各タイトルのあとにナンバリングされています。

「Still Life」は瓶などテーブルの上の静物が描かれています。はじめはモチーフに忠実ですが、徐々にキュビズムの影響を受け、空間と置物が混じり合ったような画面に変わっていきます。そして「Work」期へ。この時代に描かれたものが大半を占めるのですが、ほとんどが、ストライプで構成されています。そして晩年は、1色でキャンパスを塗る作品「Color」の制作へと移ります。





どの時代においても、同じようにみえる作品が数多くあるのですが、少しづつ違った個性をしています。ストライプの作品では、コーヒー布袋の綴じをほどき、縦長にしたものをキャンパスとしたもの、ほぼわからないぐらいの青のグラデーションで描かれたストライプ、そして絵具に砂を混ぜるなど、様々な挑戦が見えます。どの時代においても、塗り残しや、色を何重にも重ねるなど、一瞬ではわからないような仕掛けがあります。

展覧会に行かれたら、ぜひ近寄って、じっくりも観てください。通常なら、特徴的なことが示されたりするのですが、山田の作品は、そういった種明かしはされていません。そこを観るのではない、と言われているかのようです。

歩きすすんでいくうちに、彼は何を目指していたのか、何がしたかったのかという疑問が湧いてきます。

ひたすらに同じようなモチーフを書き続けることや、絵画に向かう姿勢を、「絵画との契約」と表しています。何を目指していたのか、誰の影響を受けたのかということも大切ですが、生きるために、絵画を描くことを続けたという事実を知ることに驚くことになる、今まで観てきた美術展とは全く違うものだと感じます。



ストライプや無地の画面を約200点ほど見ても飽きることがない、彼の技術面での底力と、持続し続けた精神的底力を感じてください。



最後のコーナーでは、彼以外誰にも公開していなかったという制作ノートを観ることがきます。毎日つけらている作品についてや、その日の出来事。謎の多い山田ですが、これだけ日記のようなものが残っているのに、解明されないことがある、まさに副題にもなっている画家という怪物です。


 

「endless 山田正亮の絵画」展

期間; ~ 4月9日(日){3月20日(月)は開館、3月21日(火)休館}


一般 1000円、大学生 500円、高校生以下 無料

京都国立近代美術館公式サイト→


 

 

カワタユカリ の紹介

じわじわと来年の展覧会情報が出始めています。それとともに、今年の展覧会ベスト10を言い始める人も…。今年の展覧会を振り返りつつ、気分は2018年へ。鬼が笑っています。
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この記事を書いているのは
カワタユカリ

カワタユカリ

美術大好き、年齢とは反比例の駆け出し美術ライターです。
現代アートを中心に、読むと行きたくなるような記事を書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします。

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