ちょっと変わったタイトル「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」

アートには、お値段がある。
そういう生々しい背景を、さらりとかっこよく教えてくれるのが、このちょっと変わったタイトルを銘打った美術展だ。

美術館よりもずっと早く、アートを発掘し、ゲットするのがコレクターたち。その目線は、純粋アートだけでなく、作品の価値付けという、ビジネス目線もあるのは当然のこと。
でも、その発掘があるから、ある意味、ギャンブルをしてくれる人たちがいるから、こんなに面白い作品を私たちは楽しむことはできるのよね。
買ってくれる人がいるから、創造する人たちが食べて生きられる。この摂理は昔から変わらないんだな。
で、作家が亡くなるとその価値も高騰する。
モディリアーニだったかな、彼が亡くなってすぐに、美術商がその家にやってきて、どんどん作品を買い上げちゃったという話。それで彼の作品の価値はぐんと上がるけど、彼はそれを知らないまま逝ってしまった。悲しいんだけど、なんだか、美術商の人もえげつないんだけど、でも、なんだかそれがお仕事だよね、と変に納得してしまったことを覚えている。アートの価値、って、モンパルナスで若き偉大な芸術家たちが貧困の中で夢を抱いていた時代と、構造はあんまり変わらないのね。

今回の美術展は台湾のヤゲオ財団のコレクションからの展示。コレクションの中には、アジアの有数のお金持ちのおうちに生まれて、欧米に留学した才能ある作家なんかもいて、ふん!と思いつつ、口惜しいけど、その作品がとっても気に入ってしまった私。買えるものなら買いたいわっなどぶつぶつ言っていたら、美術展の最後に、なんと、お買い上げ体験できる面白いコーナーが…。
わたくしの手持ちは、なんと50億円!ウオーホールやリキテンシュタインなど作品に、さきほどのアジアの作家のものなど、5点ほどお買い上げしたところ、総額、41億3000万円也!無事に落札できましたの、オホホホ。
同行した友人は、50億円の予算を大幅に超えてしまい、ドボン。「やっぱり、控えめでゆかしい性格って出るのねー」「うるさい!」などと憎まれ口を叩きながら、ちょっとだけ、コレクター気分を味わっちゃいました。
ほんもののお金持ちの人たちは、株とか土地とか、先物取り引きだけじゃなくって、アート界でのマネーゲームをどんどんしちゃってほしい。そうすれば、一般市民がこうやって、新たなアートを“見て”楽しめるんだもの。

落札ってのも、けっこうギャンブルで、ワクワクするんだろうなーと、そのあたりもちょっぴり体感。無事、落札できたあと、勝利のシャンパーニュなんか飲んじゃったりしたら、めっちゃ美味しいんだろうなあー。「ホホホ、今日はあいつを悔しがらせてやったわ、奥様!」なんて、ライバルのコレクターをこきおろしたりしつつ…。

一階に降りて、いつもの通り、ギャラリーショップを覗く。(元)50億円の資産家たちは、一筆箋とポストカード数枚をつつましく買って、帰路へ。その後、二人でバルへ行き、シャンパーニュならぬ、リーズナブルなカヴァを飲んで、乾杯しましたとさ。



マーク・クイン《ミニチュアのヴィーナス》
2008年 ヤゲオ財団 ©Marc Quinn

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。